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後期研修プログラム

当院での初期臨床研修・地域医療研修の目標

プログラムの特徴

雲南市立病院は、島根県東部の雲南市を含む雲南二次医療圏(東京23区の約2倍の土地面積、圏域住民人口約6万人)の地域中核病院である。地域に根差した病院としてプライマリケアやある程度までの専門医療、さらには、在宅医療や終末期医療まで、幅広い医療を地域の医療ニーズに添って展開している。
 当院では、医療資源(物的資源、人的資源、資金)が不足している医療現場で活躍できるマインドと実践能力を身につけ、地域包括ケアシステムのマネジメントやリーダーシップがとれ、地域の中で医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、地域社会に貢献できる医師、地域医療を担う第一線者として活躍できる医師の育成を目指している。このため、派遣元の各研修基幹病院の「地域医療研修」のプログラムに加え、当院独自のプログラムを考案している。

初期研修での「地域医療研修」プログラムの特徴

① 地方の小規模市町、非都市部、人口非密集地帯、医療過疎地域の特性を十分に理解した上で、当地域で内科、外科を問わないプライマリケアのあらゆる問題に対応できる基本的な診療能力の習得を目指している。
 
② 疾病に関わる身体状況だけでなく、心のケアや診療現場まで考慮し、患者や家族とのパートナーシップを構築する能力の習得を重視している。
 
③ 中山間地域の限られた医療資源の中での地域包括ケアシステムについて理解を深めるために、病院だけでなく地域の保健、医療、福祉、介護に関わるNPO、行政、住民自治組織などとの連携、協力の体験研修に重点を置いている。
 
④ 隣接する出雲医療圏、松江医療圏という医療資源が比較的豊富な地域の都市型病院との連携を通じて、3次医療圏、さらに広範囲の生活圏の中での当院の役割を考案し、地域医療を側面側から見直す機会を提供する。

雲南市立病院総合医・家庭医教育プログラム

はじめに

雲南市立病院は島根県東部の雲南市を含む雲南2次医療圏(東京23区と同等の土地面積、圏域住民約6万人)の地域中核病院であり、地域に根差したプライマリ・ケアから高度医療、さらには在宅医療や終末期医療まで、幅広い医療を展開しています。
当院では、医師をはじめとする医療人材不足を本質的に解消するため、「地域医療人育成センター」を開設し、研修医の指導、医学生・看護学生の実習、高校生・中学生等の職場医療体験セミナーなどの事業を実施し、これからの地域医療を担う人材を育成しています。
また、雲南圏域の疾病に幅広く対応できる総合診療をめざし
雲南市立病院は島根県東部の雲南市を含む雲南2次医療圏(東京23区と同等の土地面積、圏域住民約6万人)の地域中核病院であり、地域に根差したプライマリ・ケアから高度医療、さらには在宅医療や終末期医療まで、幅広い医療を展開しています。
当院では、医師をはじめとする医療人材不足を本質的に解消するため、「地域医療人育成センター」を開設し、研修医の指導、医学生・看護学生の実習、高校生・中学生等の職場体験セミナーなどの事業を実施し、これからの地域医療を担う人材を育成しています。
また、雲南圏域の疾病に幅広く対応できる総合診療を目指し、平成22年より「地域総合診療科」を開設。総合診療に外科の要素を取り入れ、外科系総合診療医の育成という独自の形態にも積極的に取り組んでいます。

研修目標

当院のプログラムの特徴は、一般的な総合医養成プログラムが内科系医師養成のものであるのに対し、外科系の知識や技術も兼ね備えた総合医・家庭医の育成を目指しています。
 
 
当院が目指す医師像
   地域の特性を十分に理解した上で、診療科を問わず患者のあらゆる健康に関する問題に対応できる医師
   疾病による身体の変化だけでなく、心のケアや療養環境まで気を配り、患者・家族と一緒になってあらゆる問題に対応できる医師  
 
 
     本プログラムの特徴として、中山間地域の限られた医療資源の中で、NPO/行政/住民自治組
 織等と連携しながら、地域包括ケアシステムのマネジメントやリーダーシップが取れる医師を質高
 く育成することを目標にしています。そのため、中山間地域での研修だけでなく選択肢として海外
 での保健医療に従事できる期間も設け、医療資源やマンパワー不足の現場で活躍できるマインドと
 実践能力を伸ばす機会を整えています。
※ 後期研修及び後期研修以降のキャリアとして総合医・家庭医を目指す医師のサポート体制とし
 て、の各専門科の医師との相談や連携により必要な知識や技術の向上を支援しています。

研修期間

医師初期臨床研修修了後3年間
●総合診療専門研修Ⅰ(6ヶ月)
 医療圏域内の診療所を初めとした研修連携施設でのプライマリ・ケアを中心に経験を積んでもらいます(研修施設は選択)。各種検査、健診、ドック、学校保健医、産業医、往診、ケア会議への出席など幅広く研修の機会があります。地域に根差した医療を体験する中で、医療資源の少ない地域で活動するための実践能力を養います。
 
●総合診療専門研修Ⅱ(12ヶ月)
 雲南市立病院で地域総合診療科、救急、外科の外来診療及び入院診療を行います。特に地域総合診療科と救急においては鑑別診断を中心とした診断法を身につけ、地域の特性を十分に理解したうえで、医療上のあらゆる問題に対応した適切なトリアージを行う能力を養います。また、救急外来患者の診療を行い、救急疾患の初期対応について経験します。雲南圏域の拠点病院での研修のため、患者の疾病による身体の変化だけでなく、心のケアや療養環境にまで心を配り、医療・保健・福祉等の地域資源を活用し、地域包括ケアを実践する力を養います。
 
●内科研修(6ヶ月)
 雲南市立病院内科または県内東部の協力病院(島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院、松江赤十字病院、松江市立病院)で研修を行います(研修施設は選択)。内科外来・入院、救急外来等で臓器別診療・総合診療を行うことにより、実践能力・対応能力を養います。
 
●小児科研修(3ヶ月)
 雲南市立病院小児科または研修連携施設(島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院、松江赤十字病院、松江市立病院)で診療を行います(研修施設は選択)。小児救急をはじめ、外来・病棟研修、小児保健活動等を通して、小児に関わる多彩な健康問題に対応できる知識・技術を習得します。
 
●救急科研修(3ヶ月)
 救急救命センターが設置されている県内東部の協力病院(島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院)で研修を行います(研修施設は選択)。救急専門医の指導の下、各科専門医と連携しながら1次救急から3次救急までの幅広い救急医療を学び、的確な診断能力・初期対応能力を養います。
※救急科1回/週の12ヶ月研修という形態も対応可能です。
 
エレクティブ研修(6ヶ月)
研修医のニーズに基づく自由度の高い研修が可能です。研修施設や科は個別に設定します。これまでの研修で不十分だった分野やさらに関心が生じた分野を補完します。選択科としては、雲南市立病院の地域総合診療科、内科、外科、整形外科、精神科、皮膚科、耳鼻科、眼科また在宅から入院まで一貫して質の高いリハビリテーションを提供しているリハビリテーション診療科での研修が可能です。相談に応じて診療所での研修も可能です。
 
以上、計3年間
 
≪選択オプション≫
国際保健研修(12ヶ月)
上記3年間の研修の他、国際保健に従事できる機会(1年間)も設けています。国際保健や地域医療の現場で活躍したい医療従事者の支援を行っている特定非営利活動法人と提携しており、海外の医療資源やマンパワー不足の地域で研修を行うことも可能です。この研修により地域包括ケアシステムのマネジメント能力やリーダーシップを取るための能力を養い、地域医療の現場で活躍できるマインドと実践能力を伸ばします。 

研修施設

■島根大学附属病院(内科、救急科)
■島根県立中央病院(救急科)
■松江市立病院(内科)
■松江赤十字病院(小児科)
■大曲診療所(総合診療Ⅰ)
■浜田市国民健康保険弥栄診療所(総合診療Ⅰ)
■浜田市国民健康保険波佐診療所(総合診療Ⅰ)
■浜田市国民健康保険あさひ診療所(総合診療Ⅰ)
■飯南町立飯南病院(総合診療Ⅰ)
■田井診療所(総合診療Ⅰ)
■隠岐島前病院(総合診療Ⅰ)
■加藤病院(総合診療Ⅰ)
■雲南市立病院(総合診療Ⅱ、内科、小児科)
 
≪領域別≫
□雲南市立病院(一般外科、整形外科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻科、放射線技術科、リハビリテーション科)
□奥出雲コスモ病院(精神科/心療内科)
□松江市立病院(緩和ケア・ペインクリニック科)
 

指導体制に関する特徴

研修の特徴
1.家族ケア・カンファレンス
開業医、在宅スタッフやソーシャルワーカー等も参加し、患者のケアについて、家族を含めた心理社会的な問題も考慮しながら検討します。このカンファレンスは研修医がマネジメントします。
2.県内家庭医療セミナーの活用
月1回開催されている、家庭医療セミナーにテレビ会議システム等で参加できます。セミナーは、家庭医療学の理論的学習と症例からの実践的学びを結びつけて行います。また、リサーチセミナーも実施しており、プライマリ・ケアのリサーチを推進します。
3.外部アドバイザーの招聘
研修の質を保証するため、家庭医療・医学教育分野の経験豊かな先生方を招聘し、研修内容や方法に関するフィードバックをもらうことが出来ます。また、他の研修施設との研修交流により、研修施設の垣根を越えてフィードバックし合える環境作りをサポートします。

評価方法

 ※形成的評価と総括的評価を研修修了認定の方法も含めて具体的に記入してください。
1.外来・診療振り返り
診療の振り返りは診療現場でその都度行われています。研修医が経験した症例について、指導医が患者の評価やケアの方法などに対してフィードバックを行います。また、適宜、指導医や研修医同士で外来診療の状況を確認し、患者情報の共有、患者ケアの検討はもちろん、相互的に総合医療・家庭医療の知識・技術を高め合います。
2.ポートフォリオ事例検討会
本プログラムで専門医を取得するには、ポートフォリオにより必要な臨床能力を示すことが求められています。毎月開催する事例検討会は、研修医が担当する事例について、指導医らと共にディスカッションし、家庭医療学的な視点から考察し、ポートフォリオ作成の支援をします。
3.レジデントデイ
月1回、レジデントデイを開催します。振り返りでは、研修ログ、セルフアセスメント用紙をもとにした自己評価を行い、他者からのフィードバックをもらいます。また、適宜Significant Event Analysis(重大な事項と捉える診療の振り返り)、クリニカルジャズなどを行い、総合医・家庭医集団としての診療の質向上を図ります。
4. 学会参加・発表
  2回/3年のプライマリ・ケア連合学会への参加と1回/3年の学術学会での発表を推奨し、研究や
 発表についての支援をします。
 
※総括的評価(評価時期・評価者・評価方法)
 
研修の節目には、指導医や地域医療人育成センターを中心に研修目標の到達度に対する総括的評価を行います。看護師やリハビリテーション技師、ケースワーカー、ケアマネージャーなどの他職種も参加し、多面的な評価を行います(360°評価)。
 
※研修修了認定の方法(総括的評価結果の判断の仕方・修了認定に関わるメンバー)
 
月毎に指導医による5段階評価を行い1点(不可)が全体の5%未満であることを修了の要件とする。ポートォリオ事例報告、360°評価を中心に総括的評価を行い、修了認定はプログラム責任者が行う。

研修スケジュール

 モデルとなるローテーション例
 
【1年目】
4-11月(内科)
12-3月(小児科) 
※この間週1回救急研修
 
【2年目】
4月-3月(総合診療Ⅱ)
 
【3年目】
4-9月(総合診療Ⅰ)
10-3月(選択) 
 
H. プログラムの全体構成(月単位の換算による)
 
総合診療
専門研修
総合診療専門研修Ⅰ
( 6 )カ月
総合診療専門研修Ⅱ
( 12 )カ月
領域別
研修
内科
( 6 )カ月
小児科
( 3 )カ月
救急科
( 3 )カ月
その他
( 6 )カ月
 
救急科が兼任研修の場合の記載法:例えば内科8カ月、小児科4カ月の間週1回救急科研修したら、内科6カ月、
小児科3カ月、救急科3カ月というふうに、本来の研修先の研修期間(この場合内科+小児科の12カ月)のうち
救急科研修の期間をプログラムに必要な長さにとり、本来の研修先の研修期間(内科8カ月と小児科4カ月)は
救急科研修の期間を減じた形(内科は8→6カ月、小児科は4→3カ月)で記載して下さい。
 

研修プログラム運営体制

研修プログラム責任者:大谷順(雲南市立病院院長)
指導医:大谷順(地域総合診療科)

プログラムの質の向上・維持の方法

プログラムの質向上・維持のための情報については、指導医・地域医療人育成センター・総合医家庭医研修プログラムワーキングチームが集約・検討・協議を行い、プログラムの改善につなげていきます。
 
1.   研修医との双方向評価を通じて、プログラムを適宜改善していきます。
2.   他の後期研修プログラムを実行している医療機関と定期的に意見交換を行い、プログラムの改善を行います。
3.   家庭医療・医学教育分野の経験豊富な先生方からプログラムを評価してもらい改善を行います。
4.   本プログラムに関わる指導医、また初期臨床研修指導にかかわる指導医も含めてプライマリ・ケア連合学会主催の研修会への積極的な参加を促し、指導医のレベルアップをはかります。

問合せ先

雲南市立病院 地域医療人育成センター
事務局 勝部 琢治
電話番号:0854-47-7532
 

『総合診療専門医』専攻医募集

当院が目指す医師像

① 地域の特性を十分に理解した上で、診療科を問わず患者のあらゆる健康に関する問題に対応できる医師
② 疾病による身体の変化だけでなく、心のケアや診療環境まで気を配り、患者・家族と一緒になってあらゆる問題に対応できる医師
③ 山間地域の限られた診療資源の中で、地域の保健・医療・福祉・介護に携わるNPO・行政・住民自治組織等と連携・協力しながら、地域包括ケアシステムについて理解し実践できる医師
④ 隣接する松江医療圏、出雲医療圏には医療資源が豊富な地域と隣り合わせ、都市型病院との連携の仕方が実践できる医師
⑤ 地域医療を実践する中から、基礎臨床、社会医学的に有用な情報や知識と技術を引き出しかつ共有できるリサーチマインドを持つ医師

研修プログラム指導体制

研修プログラム責任者 : 大谷 順
指導医        : 森脇 義弘
             奥田 淳三
             太田 龍一
             笠  芳紀

研修期間

医師初期臨床研修修了後3年間
 
 ●総合診療専門研修Ⅰ(6ヶ月) 医療圏域内の診療所を初めとした研修連携施設での総合診療を中心に経験を積んでもらいます(研修施設は選択)。
 
 ●総合診療専門研修Ⅱ(12ヶ月) 雲南市立病院で地域総合診療科、救急、外科の外来診療及び入院診療を行います。
 
 ●内科研修(12ヶ月) 雲南市立病院内科または県内東部の協力病院(島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院、松江赤十字病院、松江市立病院)で研修を行います(研修施設は選択)。
 
 ●小児科研修(3ヶ月) 雲南市立病院小児科または研修連携施設(島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院、松江赤十字病院、松江市立病院)で診療を行います(研修施設は選択)。
 
 ●救急科研修(3ヶ月) 救急救命センターが設置されている県内東部の協力病院(島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院)で研修を行います(研修施設は選択)。
 
 ●エレクティブ研修(6ヶ月)※内科と総合診療研修Ⅱと兼ね合わせて研修した場合※
  研修医のニーズに基づく自由度の高い研修が可能です。研修施設や科は個別に設定します。
  これまでの研修で不十分だった分野やさらに関心が生じた分野を補完します。選択科としては、雲南市立病院の外科(初期研修で外科を選択していない専攻医は推奨、整形外科、精神科、皮膚科、耳鼻科、また在宅から入院まで一貫して質の高いリハビリテーションを提供しているリハビリテーション診療科での研修が可能です。また、緩和ケアも院外で研修可能です。
  専攻医の相談に応じ、意向を踏まえていきます。
 
以上、計3年間≪選択オプション≫
 
※上記専門研修(3年間)終了後
 ●国際保健研修(12ヶ月)上記3年間の研修の他、国際保健に従事できる機会(1年間)も設けています。国際保健や地域医療の現場で活躍したい医療従事者の支援を行っている特定非営利活動団体と連携しており、海外の医療資源やマンパワー不足の地域で研修を行うことも可能です。

研修施設

■島根大学附属病院(内科、救急科)
■島根県立中央病院(救急科)
■松江市立病院(内科)
■松江赤十字病院(小児科)
■大曲診療所(総合診療Ⅰ)
■浜田市国民健康保険弥栄診療所(総合診療Ⅰ)
■浜田市国民健康保険波佐診療所(総合診療Ⅰ)
■浜田市国民健康保険あさひ診療所(総合診療Ⅰ)
■飯南町立飯南病院(総合診療Ⅰ)
■田井診療所(総合診療Ⅰ)
■隠岐島前病院(総合診療Ⅰ)
■加藤病院(総合診療Ⅰ)
■雲南市立病院(総合診療Ⅱ、内科、小児科)
 
≪領域別≫
□雲南市立病院(一般外科、整形外科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻科、放射線技術科、リハビリテーション科)
□奥出雲コスモ病院(精神科、リハビリテーション科)
□松江市立病院(緩和ケア、ペインクリニック科)

お問い合わせ先

雲南市立病院 地域医療人育成センター
事務局  勝部 琢治
電話番号:0854-47-7532

プログラム詳細

専門研修プログラム

(2019-02-13 ・ 1040KB)

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